研修医ブログ

研修医が綴る、東医療センターでの日々のひとこま。
現役研修医がその時、その場で感じた生の声をお届けします。

2023.10.16

研修医1年目日記~20期生その⑦~

研修医1年目のNです。
あっという間に夏が過ぎさり、肌寒い季節になってきました。

医学生の方も見ているかと思うので、
医学生の方に向けて自分が足立医療センターで半年働いてみた後の初期研修病院選びについて
思うことを書いてみようと思います。

 

初期研修で個人的に大切だなと思うことはズバリあらゆることについて
自分で考えることだと思います。

 

よく言われることですが、
実際の臨床の現場では今までの大学でのテストの問題と違って必要な情報が問題文に書いてあるわけではないし、
明確な正解の答えがあるわけではありません。

一人一人違う患者様の状況、性格などを鑑みてどんな情報が必要かを自分で考えて、診察を行い、
必要な検査を自分で考えて、その検査結果を踏まえた上で病気の診断を自分で考えて、
ベストな治療方針を自分で考える必要があります。

 

優秀な皆さんであれば、指示通りに上級医が考えた検査を完璧に行い、
上級医が考えた治療方針を抜け目なく遂行することは造作もないことでしょう。
しかし自分で考え、検査や治療方針をゼロから生み出すことこそが難しいし、
初期研修のうちに身につけるべき能力のミソなのだと思います。

 

さて、話は変わりますが初期研修病院を選ぶにあたって一つのポイントとして
「ハイパー、ハイポ度合い」というものがあります。

医学生の皆さんはお分かりかと思いますが
平たくいうとどれくらい忙しいかっていうことですね。

 

昨今は働き方改革で休みの時間が担保されるようになり、
所謂ブラックな働き方をしないようにする仕組みができつつあります。

とはいえ病床数やスタッフの数は病院によって違うため忙しさは病院ごとに大きく異なります。
個人個人のキャパシティはそれぞれ違いますし、自分に合った病院を選ぶべきだと思いますが、
自分はハイパーの方が医師としての実力をつけることができるという考えは一概には正しくないと思います。

 

先ほどの話に戻りますが、
初期研修において個人的には考えるということが大切だと思っています。

足立医療センターは世間一般にハイパー病院と言われている病院ではありません。
そんな足立医療センターでしか働いたことがない自分の考えですが、ハイパー病院に行ってたくさん症例を経験したとしても、
自分で考えるという行為がそこになければ成長の度合いは少ないと思います(たくさんの症例を手際よく捌く能力も大切だとは思います)。

 

逆に所謂ハイポと呼ばれる病院に行ったとしても一人一人の患者様に対して自分で考えて診療を行うことができれば、
大きな成長が見込めると思いますし、少なくとも研修生活もヒマを持て余すようなことにはならないと思います。

こんなことを言ったら元も子もありませんが、結局は自分の意欲次第だと思います。
ハイパー病院に行ったとしても日々の忙しさに忙殺されてこなすだけになってしまったら意味ないし、
ハイポ病院に行ったとしても時間のゆとりにかまけてしまったらせっかくの考える時間がなくなってしまいます。

 

初期研修を半年した人間の一意見として、研修先を考える判断の材料にしていただければ幸いです。