初期臨床研修について

精神科 研修プログラム概要

理念・特徴

当精神科は、地域における一般精神科外来医療と、院内におけるコンサルテーションリエゾンを行っている。
外来診療においては、うつ病、不安症の占める割合が高く、研修中はプライマリケアにおいても頻度の高いこれらの疾患に対する、診断と治療について学ぶことができる。さらに、当科では月経関連障害(月経前症候群、月経前不快気分障害)、更年期のうつ(女性、男性)、認知症周辺症状(BPSD)、職域(サラリーマン、OL)のうつ、および成人の発達障害(ASD、ADHD)に関する専門外来を設置しており、これらに対する知見を学ぶこともできる。
コンサルテーションリエゾン領域については、身体疾患で入院中の患者にひろく認められる、せん妄の診断と治療の習得に重点が置かれる。そのほか、精神科医療のエントリーポイントとなることもある救命救急医療の場において、大量服薬を含む自殺企図者への心理社会的介入も学ぶことができる。

1.一般目標(一般学習目標)

(1) 患者、家族のニーズを身体、心理、社会的側面から把握できる。

(2) 精神症状の捉え方の基本を身につける。

(3) 主要な精神疾患に対するプライマリケアができる。

2.個別目標(行動目標)

(1) 正確な病歴聴取ができる。

1) 主訴、現病歴、既往歴、生活・職業歴についての系統的レビュー

(2) せん妄の診断と初期治療ができる。

1) 症状の把握
2) 誘因となる身体疾患や薬物の同定
3) 適切な向精神薬の選択

(3) 睡眠障害に対する初期対応ができる。

1) 要因の鑑別
2) 適切な薬剤選択

(4) うつ病や不安症についての初期対応ができる。

1) 症状の把握
2) 軽症例の治療

(5) 向精神薬に関する全般的知識の習得

1) 主な薬剤の使用方法
2) 副作用への留意

(6) 救急現場における心理社会的介入

1) 精神疾患合併例への対応
2) 自殺企図後の患者への対応

3.研修方略(指導体制)

(1) 指導医の構成

1) 大坪天平(臨床教授、部長、精神保健指定医、精神科専門医・指導医、日本心身医学専門医、日本医師会認定産業医)
2) 村尾朋彦(助教、精神保健指定医、日本医師会認定産業医)
3) 山元健太朗(後期研修医)

(2) 診察への陪席

1) 初診、リエゾン、専門外来への陪席
2) リエゾン症例は、指導医のもと研修医が担当医となり主体的に治療に携わる。

(3) クルズス

(4) 抄読会

4.評価方法

(1) 研修中に担当した症例についてのレポート

5.週間スケジュール

  午前 午後
月曜 初診患者の予診および見学 リエゾン/新患カンファレンス
火曜 初診患者の予診および見学 リエゾン/クルズス
水曜 初診患者の予診および見学 リエゾン/新患カンファレンス
木曜 初診患者の予診および見学 リエゾン/クルズス
金曜 初診患者の予診および見学 リエゾン/クルズス
土曜 抄読会など