初期臨床研修について

産婦人科 研修プログラム概要

理念・特徴

産婦人科では、産婦人科の進歩に応じ、広い知識、練磨された技能、高い倫理性を備えた産婦人科医を養成する。また、産婦人科医を目指す研修医のために特別コースC(産婦人科コース)を設置している。
(1) 平成16年4月に開設した東京都地域周産母子センターを擁し、荒川区、足立区、北区、埼玉県南部、神奈川県までを含む医療圏の基幹施設として、一般産婦人科疾患、悪性疾患、ハイリスク妊娠分娩を取り扱っている。地域に根ざした温かい医療を通して、産婦人科医として幅広い知識、技術を習得することが可能である。特に周産期の教育には分娩シミュレータを用いて産科救急疾患の対応について、グループ診療に重点を置いている。
(2)臨床的特徴
1)専門医がそろっている。
2)周産期、腫瘍共に高い臨床レベルを維持している。
3)基本的な考え方、手技が学べる。
4)学会に参加するだけでなく、学会発表・論文執筆も可能である。
初期研修医2年生が産婦人科関連の学会で発表し、症例報告と論文執筆を行った。

1.一般目標(一般学習目標)

生命の誕生をあつかうにふさわしい豊かな人間性を基本として、女性のライフサイクル全般をカバーする産婦人科医としての広い知識、高い技術を自ら切磋琢磨して身につける。

(1)産科学、婦人科学で習得した知識を基盤に、診断、治療の技術、管理方法を修練する。

1)周産期:胎児期から始まるヒトの生涯の健康への知識理解を深める。
2)内分泌:女性特有の内分泌環境を理解して診断管理治療に結びつける。
3)腫瘍:女性生殖器の解剖から診断管理治療まで一貫した知識を身につける。

2.個別目標(行動目標)

将来自分の選択科に役立つ女性医学の幅広い知識を習得する。

(1)産婦人科医を将来の選択枝に考えている方は分娩・手術・外来など偏り無く研修できる。

(2)外科系を考えている方は、

1)乳腺系:婦人科内分泌
2)骨盤臓器:病理や腫瘍・感染症の鑑別診断
3) 整形外科:骨粗鬆症などの診断治療
4)脳神経外科:プロラクチン産生腫瘍、先天性の児奇形など

(3)内科系を考えている方は、

1)腫瘍や、腹水の鑑別診断など女性特有の疾患との関わり合い
2)ベーチェット等の皮膚疾患、感染症
3)妊娠と内科疾患(糖尿病、心疾患、喘息、血液、消化器)
4)更年期障害と精神疾患などの関連

3.研修方略(指導体制)

基本的にマンツーマンで上級医が個別に指導に当たる。
教授-准教授-助教-医療練士により構成される。
医療練士は産婦人科専門医と一組となり入院患者の診療にあたる。

(1)基本コース:産婦人科必修研修1か月

1)基礎研修
外来:問診を中心として自分で疾患を推測診断する手法を学ぶ。
産婦人科救急疾患への対応法を学ぶ。
産科:婦人科の代表的な疾患の診断・治療法を学ぶ。
周産期:妊娠の特殊性を学ぶ。
分娩シミュレータを用いて診察の手技、分娩の取扱いを学ぶ。
分娩立ち会い、胎児エコーを実践し推定体重など計測
婦人科 :手術の助手を担当し、周術期管理を行う。
悪性腫瘍手術の見学をする。
2)産婦人科選択研修3か月まで選択可能:2か月目以降
病棟研修:救急疾患に積極的に関わる。
周産期:分娩時に積極的に児の診察に関わる。
指導医のもと分娩の介助法、会陰切開などの手技に関わる。
妊婦の外診(レオポルド手技)や内診に直接携わる。
婦人科:婦人科癌などの経過・治療を学ぶ。
手術の助手並びに開腹、閉腹などに関わる。
婦人科画像診断を学ぶ。
3)産婦人科選択研修:3か月目以降
経産婦の分娩を担当する。
子宮外妊娠、卵巣嚢腫などの手術の術者となることもある。

4.評価方法

(1) レポート:ローテート終了時に受け持ち症例のうち1例を選んでプレゼンテーションし、スタッフの評価を受ける。

(2)各科評価シートにて評価する。

5.週間スケジュール

手術日:月、火、木曜日
医局会:第二、第四木曜日午後6時
教授回診:毎週金曜日午前中
産科ハイリスク症例検討会:毎週火曜日 午後4時
周産期合同カンファランス:毎週水曜日午前8時30分