初期臨床研修について

外科 研修プログラム概要

理念・特徴

外科では、食道から肛門まですべての消化器疾患およびヘルニアなどの診療を行っている。悪性疾患(主に消化器がん)の診療が中心となるが、手術治療のみならず診断、内視鏡治療(食道静脈瘤に対するEISや早期胃癌に対するESDなど)、肝胆道疾患に対するIVR治療、がん外来化学療法、緩和治療まで幅広く行っている。当科の初期研修では、消化器疾患の診断から治療までを体系的に研修することが可能と考えている。

1.一般目標(一般学習目標)

(1) 外科診療(主として消化器疾患)に必要な基本的知識・技能を身につける。

(2) 診療計画の立案、診療録の作成、手術手技、術前・術後管理を身につける。
(3) 悪性疾患に対する全身化学療法の実際に触れ、化学療法中の管理法を知る。
(4) 医師としてのみならず、ひとりの人間として患者・家族と向き合う姿勢を身につける。

2.個別目標(行動目標)

(1) 経験すべき診察・検査・手技

1) 全身の観察(バイタルサインなど)ができ、診療録に正しく記載できる。
2) 腹部の診察ができ、診療録に正しく記載できる。
3) 造影検査・超音波検査・CT検査・MRI検査・内視鏡検査の適応と意義を判断し、説明することが出来る。
4) 注射法(静脈確保を含む)を実施できる。

(2) 経験すべき手術手技・消毒法

1) 手指の消毒を正しく行い、ガウンテクニックが正しく行える。
2) 手術野の術前処置、消毒を正しく行える。
3) 手術に参加し、手術の手助けができる。
4) 開腹・創閉鎖ができる。

(3) 経験すべき術前・術後処置

1) 術前処置を理解し、正しく行える。
2) 術後のバイタルサインを把握し、病態に応じて適切に対応できる。
3) 周術期の基本的な輸液管理を行うことができる。
4) 術後患者の創傷管理を適切に行える。

(4) 経験すべきがん化学療法

1) 消化器がん化学療法患者を診察し、有害事象とそのGradeを把握できる。

3.研修方略(指導体制)

(1) 指導医、後期研修医からなる主治医グループ(上部消化管、下部消化管、肝胆膵のいずれか)に所属し、集中的にその領域の術前、手術、術後管理を中心に研修する。

4.評価方法

(1) 自己評価

1) 外科評価シートに自己評価を行う。

(2) 指導医による評価

1) 外科評価シートより研修医評価する。
2) 日常診療において研修医評価ならびにフィードバックを行う。

(3) 研修医による評価

1) 外科評価シート用いて診療科全体(指導内容、研修環境)を評価する。

5.週間スケジュール

 
8:00~8:30 教授回診 グループ回診 グループ回診 グループ回診 グループ回診 グループ回診
8:30~ 手術・病棟 検査・病棟 手術・病棟 検査・病棟 手術・病棟 検査・病棟
13:00~ 手術・病棟 検査・病棟 手術・病棟 検査・病棟 手術・病棟  
16:00頃~ グループ回診 グループ回診 グループ回診 グループ回診 グループ回診  
17:30~ 症例検討会       症例検討会  

他の診療科と合同でキャンサーボード(第2月曜), 消化器カンファレンス(第4月曜)を行っている。