初期臨床研修について
外科のご紹介
部長 塩澤俊一教授
当科では消化器疾患全般の診療を行っています。病態の進行度を患者さまの全身状態や社会背景に照らし合わせ治療方針を決定し、治療は外科的切除のみならず内視鏡的治療や化学療法も担当医自らが行っています。特に手術は全症例の約半数を低侵襲な鏡視下手術で行っており、安全に短期間で退院できることをめざしています。また、定例手術以外の緊急治療にもできるだけ対応し、地域医療へ貢献すべく努力しています。
研修医を目指す方へぜひ伝えたいこと
当科は外科でありながら、消化器系の各種検査も習得できるのが他の大学病院にない大きな特徴です。
上・下部消化管造影(食道/胃透視・注腸検査)、上・下部内視鏡検査(GF・CF)、腹部超音波検査(エコー)、ERCP検査(膵・胆道疾患のドレナージ・採石術)、腹部血管造影検査(TACE)、ポート挿入、胃瘻造設などが身につきます。
自分の夢を実現するには明確な目標を持ち、われわれと共にハードワークをこなす努力も必要です。
しかし、診療科の選択に向き・不向きなどありません。外科医として重要なことは、知識や手術技術がすべてではなく、治療に対する「情熱」です。
「情熱」を持ち続けることが医療人としてのあなたの人生を支えてくれるはずです。
診療内容
診療科の構成
消化器一般外科・小児外科
特徴および特色
当科は上部消化管(食道・胃)外科、下部消化管(大腸・肛門)外科、そして肝胆膵外科の3つの臨床グループがそれぞれ高い専門性をもって入院・外来診療・化学療法などにあたっています。
予定手術の合間にも、急性期外科疾患の緊急手術にも可能な限り対応しています(約200件/年間)。
また、専門医の指導のもと、小児外科疾患も積極的に行っています。
主な検査項目
- 上・下部消化管造影(食道/胃透視・注腸検査)
- 上・下部内視鏡検査(GF・CF)
- 腹部超音波検査(エコー)
- ERCP検査(膵・胆道疾患のドレナージ・ステント留置、採石術)
- 腹部血管造影検査(TACE)
- 中心静脈ポート 挿入
- 胃瘻造設など
主な手術・処置
- 消化器
- 一般外科における以下の定型手術、小児外科手術を広く行っています。
- 腹腔鏡下手術:胃癌、結腸・直腸癌、胆道両性疾患
- 胸腔鏡下手術:食道癌
- ロボット支援手術:直腸/S状部癌(2019.7から実施予定で準備中)
- 小児外科:ヘルニア、陰嚢水腫など
- 内視鏡治療:内視鏡的粘膜下層剥離術(EMR・ESD)、内視鏡的ポリープ切除(polypeotomy)、食道静脈瘤硬化療法(EIS)、内視鏡的胆管結石切石術(ERCP/EST/EPBD)
- 低侵襲肝癌治療:カテーテルによる動脈塞栓術(TACE)、ラジオ波焼灼療法(RFA)
- がん化学療法(抗がん剤治療):食道癌、胃癌、大腸癌、膵・胆道癌
研修医のとある1日
午前・午後の2回、グループごとに受け持ち患者さんを回診します。外科の定例手術日は月・水・金曜の3回で、火・木曜は検査を中心に行っています。手術症例検討会は週2回で、月曜の午後にその週の水・金曜の手術症例を、金曜午後には翌週月曜の症例検討を外科全体で検討します。主にこの時間帯に他科合同の消化器カンファレンス、キャンサーボード、なども月1回開催しており、難治症例を検討し治療方針を決定します。
8:00~
午前のグループ回診(毎週月~土曜、月曜のみ全体回診)
入院中の術前・術後の受け持ち患者さん(10~15人前後)を回診します。病状把握(前日までの血液検査・Xp検査結果を含め)に努め
診療録へ記載するとともに、病状に合わせて指示変更を適宜行います。
9:00~
手術(毎週月・水・金曜)、検査(毎週火・木曜)
受け持ち患者の手術に主治医の1人として加わります。手術は1日に1件~2件行います。定例手術の合間に緊急手術を行うこともあり、時には上級医と2人だけで手術を行うこともあります。手術日以外は消化器系の検査を行います。
16:00~17:00の間
午後のグループ回診(土・日曜を除く毎日)
回診の時刻はその日の状況によってグループごとに決めています。看護師さんからその日の患者さん情報も得て、朝の回診の状況 からの変化を確認します。グループで担当する緊急手術がなければ回診後に1日の業務が終了します。
17:30~
術前検討会(毎週月・金曜)、消化器カンファレンス(月1回:消化器内科と合同)、キャンサーボード(月1回:複数の診療科と合同)
手術に加わる患者さんの全身状態を把握し、手術侵襲度とリスクを把握します。定型的な手術は徐々に症例のプレゼンテーションの機会が増えていきます。前日までに各種検査や画像診断をまとめておく必要がありますが、上級医がついてプレゼン指導します。