初期臨床研修について

骨盤底機能再建診療部 研修プログラム概要

理念・特徴

骨盤底機能再建診療部では、泌尿器科疾患の中でも下部尿路症状を有する膀胱・尿道・前立腺疾患、これまで婦人科で診療されることが多かった子宮脱や膀胱瘤を始めとする骨盤臓器脱、性機能障害などの基本的な診断と治療の技術を習得する。本診療部の特徴は、これまで各科毎に診療されてきた、ひとりの患者が有する複数の症状を骨盤底機能障害と捉えて総括的に診療することである。また今後、高齢社会を迎え多くの高齢者が排尿機能障害を有するので、その特徴を知り診療にあたる必要がある。
基本となる泌尿器科疾患は上部尿路も含め同時に研修することが可能で、研修終了時には日本泌尿器科学会専門医、日本透析医学会専門医の受験資格を得ることができる。同時に日本排尿機能学会認定医も取得することが可能である。

1.一般目標(一般学習目標)

(1) 女性の骨盤底機能障害を原因とする疾患(腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱、過活動膀胱、間質性膀胱炎、女性性機能障害など)の病態を理解し、診断と治療を行う。

1) 問診方法、内診法、膀胱鏡、画像検査、尿流動態検査を習得し、診断に役立てる。
2) 各疾患に対する薬物療法および手術療法を行う。

(2) 男性の骨盤底機能障害を原因とする疾患(前立腺肥大症、過活動膀胱、前立腺癌術後尿失禁、男性性機能障害、男性更年期障害など)の病態を理解し、診断と治療を行う。

1) 問診方法、直腸診、経直腸エコー、膀胱鏡、画像検査を習得し、診断に役立てる。
2) 各疾患に対する薬物療法および手術療法を行う。

(3) 脳・脊髄疾患、末梢神経障害による神経因性膀胱の病態を理解し、診断と治療を行う。

1) 骨盤底の解剖や神経支配を熟知する。
2) 下部尿路症状を有する疾患の病態を理解する。
3) 高齢者の排尿機能障害を理解する。

(4) 上部尿路(腎・尿管)の解剖、機能を理解する。

1) 画像検査(静脈性腎盂造影、逆行性腎盂造影など)を実施し診断に役立てる。

(5) 腎不全患者の全身管理、透析導入、維持透析に関する診療を行う(余裕があれば)。

1) 腎機能、慢性腎不全を理解する。
2) ブラッド・アクセスの造設や穿刺を行う。

2.個別目標(行動目標)

(1) 女性の骨盤底機能障害を原因とする疾患(腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱、過活動膀胱、間質性膀胱炎、女性性機能障害など)の病態を理解し、診断と治療ができる。

1) 各疾患を診断し、保存的治療ができる。
2) 各疾患に対する手術治療の執刀または助手ができる。

(2) 男性の骨盤底機能障害を原因とする疾患(前立腺肥大症、過活動膀胱、前立腺癌術後尿失禁、男性性機能障害、男性更年期障害など)の病態を理解し、診断と治療を行う。

1) 各疾患を診断し、保存的治療ができる。
2) 各疾患に対する手術治療の執刀または助手ができる。

(3) 脳・脊髄疾患、末梢神経障害による神経因性膀胱の病態を理解し、診断と治療ができる。

1) 骨盤底の解剖や神経支配が説明でき、治療法を選択ができる。
2) 下部尿路症状を有する疾患の病態を理解し、治療法を選択できる。

(4) 上部尿路(腎・尿管)の解剖、機能を理解できる。

1) 逆行性腎盂造影、腎瘻造設、膀胱瘻造設ができる。
2) 各疾患に対する薬物療法ができ、一部の手術ができる。

(5) 腎不全患者の全身管理、透析導入、維持透析に関する診療ができる(余裕があれば)。

1) 維持血液透析患者の体重、電解質、カルシウム・リンなどの管理ができる。
2) ブラッド・アクセス手術の執刀または助手ができる。

(6) その他

1) 医師、社会人としての態度を身につけ、上司・同僚医師・他科医師・コメディカルと協力して診療を行うことができる。
2) 患者およびその家族と良好なコミュニケーションをとり、信頼関係を築きながら診療を行うことができる。
3) 医療記録(診療録・手術記録・入院要約などを正確に記載する。
4) 症例検討会などで発表、討論する。医療情報を自主的に収集し、知識を深める。

3.研修方略(指導体制)

(1)指導医の構成

骨盤底機能再建診療部教授巴ひかる(泌尿器科兼任)
泌尿器科助教山下かおり(骨盤底機能再建診療部兼任)

(2)指導医による実習研修

・外来診察や外来検査の臨床研修を行う。検査や手術を指導医とともに行う。

(3)グループワーク

・症例検討会、抄読会などで発表し考察を行う。他者の発表に対しディスカッションを行う。

(4)自習

・疾患の基礎知識や最新情報を文献検索する。学会発表や論文執筆を行う。

4.評価方法

(1)指導医による評価を随時受ける。

1) 疾患に対する十分な基礎知識
2) 手技の習熟(検査、手術執刀、手術助手など)
3) 自発的な学習意欲
4) 患者に対する診療態度
5) 上司・同僚医師・他科医師・コメディカルとの協調性
6) 医療記録(診療録、手術記録、病院要約)の記載
7) 医療安全管理の知識
8) 学会発表や論文執筆

(2) 各科評価シートに従い、自己評価および指導医によって評価を行う。

5.週間スケジュール

  8:00~  午前  午後   
月  部長回診  外来診察、病棟・外来処置  画像検査 、尿流動態検査  
火  勉強会 外来診察、病棟・外来処置  インフォームドコンセント  
水  病棟医回診 外来診察、病棟・外来処置  インフォームドコンセント  症例検討会 
木  病棟医回診 手術 、病棟処置  手術 、部長回診  
金  抄読会 部長回診、手術、 病棟処置  画像検査、特殊検査  症例検討会
土  病棟医回診 病棟処置