初期臨床研修について
眼科 研修プログラム概要
理念・特徴
眼科で診療する疾患には、眼科特有の疾患と全身疾患に関連する疾患、他科領域の治療によって起こる眼障害があり、その疾患形態は多岐にわたる。初期研修においては、眼科特有の疾患を学ぶだけでなく、全身疾患管理の一環としての眼科診療の位置づけを知ることに意義がある。
1か月間の短期研修では眼科診療全般を学び、2か月以上の研修では、診断および治療に参加して、さらなるスキルアップを目指す。
1.一般目標(一般学習目標)
(1)眼科臨床に必要な基礎的知識を復習する
1)解剖、組織、発生、生理、眼光学など
2)全身疾患と眼疾患
(2)初期救急医療に関連する眼科疾患の診断と初期治療を習得する
1)急性緑内障
2)網膜中心動脈閉塞症
3)外傷(穿孔性、非穿孔性)
4)化学外傷
(3)眼科診断技術および検査
1)細隙灯顕微鏡検査
2)眼底検査(光干渉断層画像、蛍光眼底撮影を含む)
3)視機能検査(視力、視野、眼位・眼球運動など)
4)画像診断(CT、MRIなど)
(4)眼科治療技術
1)基礎的治療手技(点眼、創傷処置など)
2)救急処置(眼外傷、急性眼疾患)
3)周術期管理
2.個別目標(行動目標)
(1)眼科基礎知識の習得
1)解剖学的知識(眼球ならびに付属器の名称、神経系・血管系)
2)全身疾患に合併する眼疾患
(2)救急疾患の診断および初期治療の習得
1)急性緑内障の鑑別と眼圧上昇に対する初期治療
2)瞳孔異常をきたす疾患の鑑別
3)視神経管骨折の診断と初期薬物治療
4)網膜中心動脈閉塞症の診断と初期治療
(3)眼科診断技術
1)細隙灯顕微鏡を用いた診察
2)眼底鏡による観察
3)画像診断
3.研修方略(指導体制)
(1)眼科一般診療
1)外来診療:教授診を見学する。指導医の外来担当日に診療する。
2)検査:指導医が担当する患者の検査を行う。
(2)治療
1)手術:火曜日、金曜日は、指導医の担当に関係なく手術室で研修する。
2)外来手術・処置:指導医について、担当患者の治療を行う。
3)手術体験:豚眼を用いた白内障手術を体験する(ウェットラボ、月1回程度)。
(3)専門外来
1)斜視弱視外来:水曜日午後(第1・3)
2)眼形成外来:木曜日午後(月1)
3)電気生理外来:木曜日午後(第4)
4)小児外来:水曜日午後(第2・4)
5)緑内障外来:火曜日午後(第1・3)
6)網膜硝子体外来:火曜日午後(第2)、金曜日午後(第4)
7)角膜外来:金曜日午後(第1・3)
4.評価方法
(1)眼科検査法
1)口頭試問
2)実技実習内で評価
(2)眼科診断
1)口頭試問
2)外来担当患者のプレゼンテーション内で評価
(3)眼科治療
1) 外来担当患者のプレゼンテーション内で評価
2)手術室研修内で評価
5.週間スケジュール
第1週 | 指導医について外来見学。手術見学。 |
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第2週 | 指導医とマンツーマンで外来診療および検査。ウェットラボ体験。手術室で手洗いして参加。 |
第3週 | 外来診療で問診を主に診療に参加。術後患者の検査・診察。 |
第4週 | 指導医とマンツーマンで、外来患者を診療、治療方針の決定、治療への参加。 |