初期臨床研修について

リハビリテーション科のご紹介

部長 降矢芳子 教授

リハビリテーション科では病気や外傷、加齢などによって生じる障害に対し、予防を含めた機能回復並びに活動向上や社会参加に向けてのリハビリテーションを担う科です。リハビリテーション医学を通して、患者ケア、コムニケーション能力、医学的知識、プロフェッショナリズム、多職種連携、社会貢献を中心としたコンピテンシーを高める医師教育を実践し、運動器、脳血管、心大血管、呼吸器、廃用など疾患別リハビリテーションの診療および研究を行います。

研修医を目指す方へぜひ伝えたいこと

患者さんの失われた機能の回復を促し、残された機能を最大限に生かし、日常生活の自立や社会復帰、さらに生活の質(QOL)を向上させるための診療を行うためには、他職種連携を図り包括的なチーム医療を行うことが必要です。また、対象者は小児から高齢者と幅広く、対象疾患も多岐にわたっており、そのため幅広い知識と柔軟な対応力が求められます。障害を持った患者さんの残された機能を充分に発揮させるという作業は、患者背景を含めた全人的な加療の場であり「疾患のみを診るのではなく人を診る」という考え方が必要です。また超高齢化時代を迎える現代社会における、サルコペニアフレイルも含めた様々な問題に対しても、ますますリハビリテーション医へのニーズは高まっています。転倒予防や要介護予防への支援もリハビリテーションが重要な役割を演じていますので、それらに応えるべく研修を行いたいと考えています。

診療内容

特徴および特色

リハビリテーション部として診療に当たっていましたが、2019年にリハビリテーション科が新設されました。まだ医師も少なく研修医の方の役割も大きくなります。意欲に燃える新しい科です。若い力に期待しています。

研修医のとある1日

毎日 8:45-8:55

朝カンファレンス

毎朝行うPT、 OT、STとのカンファレンスに参加します。各種連絡事項やその日の業務に関してなど皆で会し1日の始まりです。

毎日 9:00-12:00 13:00-15:00

リハビリ処方箋の作成

他科から依頼を受けた患者さんについて、あらかじめカルテを見ながら処方箋を作成し病棟へ回診に行きます。回診では、運動機能や認知機能の簡単な評価や問診を行い、リハビリ介入の説明をします。運動器リハについては整形外科医師、心大血管リハについては循環器科医師の指示を仰いでいます。いわゆる科としての中心的業務になりますが、起算日や算定基準、疾患区分など専門知識を要するため、日々の業務を行ううちにそのような知識を身につけることができます。

水曜日 午後 約1時間

NST回診

しっかりリハビリをするにはしっかり栄養補給して筋肉量を落ちないようにする、というのが現在の考え方です。これは高齢者のサルコペニア予防にもつながります。当科ST、栄養士、看護師、外科や歯科口腔外科の先生方と他職種連携で行うカンファレンスに出席し、総合的な検討を行うことで、患者への貢献はもちろん、自分自身の知識も高めることができます。

週1回 午後

各科回診、カンファレンスへの参加

患者さんの原疾患の治療状況等の把握とリハビリの進捗状況等についてなど、主治医とのコミュニケーションを図る目的もあり、運動器〜脳血管グループの療法士が各科の回診やカンファレンスにも参加しています。研修医も必要に応じて参加することが可能です。

リハ室見学

空いた時間を作り、実際に療法士が行なっているリハビリを見学できます。医師よりずっと多くの時間を患者さんとともにする療法士は患者さんにとってはかけがえのない存在です。実際の機能回復を助ける現場を見学することは大変勉強になります。医師としての立場ですべきことできることを考え、療法士の方々とともに教え教えられ互いに高め合うことこそ他職種連携の醍醐味と思います。